熊本の塾長が国家資格キャリアコンサルタントの資格取得をやめた理由|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

実は今日一日考えていたことがあります。国家資格であるキャリアコンサルタントの資格取得をしようかどうしようかということです。その理由は、国家資格であるという点と、キャリアコンサルが今後需要が見込めて先伸びするだろうと考えたからです。しかし考えに考えた結果、今回は見送ることにしました。ではなぜ私は資格取得をやめたのか。

 

 

熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミーにとって、資格取得をサポートすることもサービスの一環として視野に入れており、さらには就職先の斡旋や進路選択へのアドバイスなども幅広く手がけていきたい思いはあるのですが、そこにキャリアコンサルタントが本当にマッチしているのかが問題でした。取得に際して金銭的な負担や時間的コストがどれほどかも知る必要がありましたし、さらには将来性、特に業務の専門性も大事なので、そのバランスを今日一日かけて調べていたのです。せっかくなので、結論「国家資格キャリアコンサルタントの資格取得はない」としたわけですが、その過程で私が何をしてどう考えたのかを共有してみたいと思います。何かの参考になれば幸いです。

 

 

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熊本の塾長が取得をやめた国家資格キャリアコンサルタントとは何か

人生100年時代と言われ始めて少し経ちました。これは元々ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授が提唱したもので、日本でも政府の主導する「人生100年時代構想会議」にも加わってもらっています。つまり日本はこの「100歳まで生きる」という考え方を念頭に国家事業を展開していくつもりだということです。

 

 

これまで定年が60歳までだったものを、65歳とか70歳以上とかにまで延長させて、年金受給年齢も引き上げて、破綻しかけている福祉情勢の延命を図っていく上で、この「人生100年時代」という構想は非常に都合がいい。だから積極的に採用してその上で働き方改革も交えて検討していくとしているわけです。少なくても私の認識ではそうなっています。というか、現状超高齢社会にある日本の年齢別人口動態を見れば、上の世代を安易にリタイアさせるよりも、労働力として経済を回してもらうしかありません。日本は文化的に、そして心理的に移民の受け入れを積極的に進められないお国柄なので、国内の労働力をどう確保するかを考えるしかないのは自明だからです。

 

 

また、これまでのように年功序列や終身雇用の前提を保つことはできないとして、副業を斡旋したり転職を促したりする動きが活発化してきました。AIやロボティクス技術の革新によってデジタル・ディスラプション(技術的破壊)があらゆる業種で起きることを考えると、今の仕事、今の職業が奪われる可能性が高いわけです。とすれば、今後キャリアの流動化が避けられない。

 

 

そこであらゆる世代のキャリア形成をサポートする人材が必要になります。どんな仕事に移るのか、そのためにはどんなスキルが要るのか、企業はどんな人材を求めていて、その需給バランスはどう整理するのかなどが課題としてあるわけです。だから国はキャリアコンサルティングという、その個人にとって望ましい職業選択やキャリア開発を支援するプロセスを充実させんと、キャリアコンサルタントの職業を国家資格化することにしました。2016年4月に職業能力開発促進法にキャリアコンサルタントが規定され、国家資格になった経緯がこれです。

 

 

熊本の塾長と国家資格キャリアコンサルタントの道

そんな国家資格キャリアコンサルタントですが、直近の試験は10月31日の学科試験、その後11月中旬に実技試験があることが調べると分かりました。今が6月29日ですから、資格取得を目指す受験勉強期間としてはちょうどいいくらいです。4ヶ月もあれば独学で受かるだろうと考え、もし受けるなら過去問が10年以上掲載された問題集をまず一冊購入して演習してみよう、くらいに思っていたのです。

 

 

しかし厚生労働省のHPで調べてみると、そこには受験資格なるものが必要だと書いてました。受験をするために資格が要るのです。その条件は主に3点。

 

 

①厚生労働省の認定講習を修了すること

②労働者に対するキャリアサポートの3年以上の実務経験があること

③技能検定キャリアコンサルタント職種の学科か実技の合格実績があること

 

 

です。このうち②③は実地で仕事としてやっていたという経験の話であり、私のように中高生向けの勉強戦略コンサルティングの実績は「労働者向け」ではないため使えません。ということは私が現時点で選べるのは①しかない。

 

 

すると今度は、厚生労働省の認定講習はどこで受けられるのだろうという話になるのですが、これが19講座もあるのです。これは認定講習を提供している団体が19もあるということです。例えば熊本で言えばヒューマンアカデミーや大原学園、LECなどがあり、でもコロナ禍なので結局どこで受けてもオンラインですから、どこに教室がある団体でもいいということで、それらの団体をそれぞれ調べてみることになりました。

 

 

実際に問い合わせてこちらの状況を説明し、必要な講習を受けるために必要な時間的な負担と授業料を聞いて回ります。するとそれぞれの団体で講習提供の事情も異なることが分かってきます。要するに、入学金や受講料が異なる上に、提供され講習と別枠でオプションの合格対策講座があるところとないところがあると。さらにそれは表面的な金額を聞いた際には明かされず、入学して後に必要なタイミングで別途伝えられる可能性もあり、厄介なことにそれも講習枠としてカウントされるものだそうです。そんなこんなで

 

 

・入学金 約3万円

・受講料 30万〜50万円

・システム使用料 約1万円

・テキスト代 約1万3千円

・受験費用 トータル約3万5千円

 

 

と結構な金額が掛かることになります。さらに認定講習は150時間。これも減らすことはできない絶対時数です。ここに独学の勉強がプラスされます。

 

 

さらに厄介なのは、熊本で受講しようと思って幾つかのスクールに連絡をして、ネットでクチコミ等を調べてみると、クチコミの評価が異様に低いのです。何十万も払うのに、限られた認定講習提供企業の評価が低い。ここで「ん〜どうしようか、これはスクールを信用していいものか、、、」と悩むわけです。当然「認定講習」とされている以上信用はしていいのだと思うのですが、ちょっと警戒が必要です。

 

 

熊本の塾長が国家資格キャリアコンサルタントをやめた理由

では、ここまでのリスクを抱えて、時間とお金を投資して得られる国家資格キャリアコンサルタントのリアルはどうか。つまり将来性や年収、仕事の幅などです。

 

 

すると「国家資格キャリアコンサルタント 資格不要論」が結構ネット検索でヒットしてしまいます。これはいくつか理由があるのですが、まず合格率が高すぎる。受ければ半分以上は受かる計算です。「それっていいことじゃないの?」と思われるかも知れませんが、それだけ国が急ピッチで人材補給を考えている一方で、質が保証されないリスクがあります。ちゃんとしたキャリアコンサルができる人が十分に現場に供給されないということです。これは教育学部の合格に必要な偏差値が低いために教師のスキルが十分になく、現場の指導クオリティが高く保てていないのと同じ現象です。

 

 

すると現場でキャリアコンサルタントを採用する側の企業も信用のしようがない。だから年収も大きく出せない。となると、それを生業とするにはちょっと負担の割りに身入りがないわけです。

 

 

さらにマズイのは、そもそも仕事の独占権がないということです。キャリアに関する相談、サポートは、別に国家資格キャリアコンサルタント取得者でなくても誰でもできてしまう問題があります。その資格がないとできない、ということであれば資格取得に意味が出てきますが、別に今の私でもできてしまうのであれば取得する意味がありません。勿論「キャリアコンサルタント」だと名乗ることはできませんが、相談業務はできる。ということは、あとはクライアントからの信頼を得られるかどうかだけの話になりますから、別段国家資格としてキャリアコンサルタントを取得しなくても良いではないか、という話になるわけです。

 

 

そうやって、色々情報を収集し、考え、周囲の実感も含めて検討した結果、今の私にとってそこまでの負担の割には合わない職種であるということが分かりました。だから私は資格取得をやめたのです。

 

 

このように、時間やお金を掛けるだけの意味のある職業なのかどうかをしっかり検証した上で、資格取得も考えねばならないでしょう。認定講習なしでダイレクトに受験可能であれば、私の場合は独学で一発合格の自信があるので受験料のテキスト代くらいで済むのですが、認定講習ありきとなると、他の学びにも差し支えるので、優先順位的にアウトです。

 

 

何が大事で、何が大事ではないか。どこまで譲れて、どこからは譲れないのか。考えて出した結論であれば後悔はありません。その分、資格取得に傾けるはずだった労力は全て自身のスキルアップのために使おうと決心しました。その先でまたキャリアコンサルタントの条件が変わってくるようであれば、再度検討するということにします。

 

 

ということで、今回は熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー代表である私が国家資格キャリアコンサルタントの資格取得をやめた理由についてお話ししてみました。何かの参考になれば幸いです。

 

 

 

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