熊本の塾長が徹底解説!『風の谷のナウシカ』を映画と漫画両方読んでの徹底深掘り第1弾|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

今回は映画『風の谷のナウシカ』再上演記念ということで、この映画について深掘りしていきたいと思います。というのも、まず令和という時代になってまさか映画館に『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』が並んで上映されることになるとは!という感じで、ジブラー(ジブリの大ファンの方々)でない私ですら興奮を覚えてしまう事態が起こっているから、というのが1つと、何より私がこの『風の谷のナウシカ』の深さを認識できるようになったのがここ最近であったから、というのがあります。

 

 

実は恥ずかしながら、『風の谷のナウシカ』の原作漫画を通読完了したのがほんと、この記事を書く3日前が初めてという状況。それも知り合いの方からオススメされて「原作の漫画、ストーリーとか全く違うんで是非!」と言われて、即その日のうちに漫画を全巻(全7巻)購入して2日で読破してからの映画鑑賞という流れでした。

 

 

それにしても初めて漫画『風の谷のナウシカ』読みましたが、世界観が深すぎます。これまで何度も映画は観てきましたが、ストーリーが違うだけではなく規模がまるで違います。「風の谷」という人口500人にも満たないような小さな集落を救うという話だけでなく、そもそも「腐海(ふかい)」とは何なのか、かつて人類はどう生き何が起こって今に至るのか、「王蟲(オーム)」をはじめとする多くの巨大な蟲たちはなぜ生まれたのかなど、とにかくスケールが壮大なんです。そして抽象的な世界観をどう解釈するかという大いなる問い。この問いに今回私なりの答えを出していきたいと思いました。

 

 

そこで今回は、その原作から映画の監督までされている宮崎駿(みやざきはやお)さんがこの作品を作るに至った経緯や実際の物語の解釈など、色々な方面から私が面白いと思った内容をお届けしたいと思います。

 

 

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『風の谷のナウシカ』は実はジブリ映画ではない!?

スタジオジブリのサイトにあるQ&Aを参考にすると、そもそも「ジブリ」という言葉は「サハラ砂漠に吹く熱風」を意味するイタリア語なのだそうです。 第2次世界大戦中に使用されたイタリアの軍用偵察機の名前でもあり、日本のアニメーション界に熱風を起こそうという思いを込めて飛行機マニアの宮崎監督が命名したものです。

 

 

さて、「ジブリ作品」というのは当然「スタジオジブリ」で製作された映画のことを指すわけですが、ではこの「スタジオジブリ」はいつからあったのかというと1985年です。

 

 

それまで映画監督としてパッとしない、どころか、映画界からは「宮崎に映画を作らせるな!」と言われるほど干されていた宮崎駿監督が、1984年公開の映画『風の谷のナウシカ』の興行的成功を機に、次回作1986年公開となる映画『天空の城ラピュタ』を製作するために立ち上げたのが、このアニメーションスタジオでした。つまり、『風の谷のナウシカ』はジブリスタジオが立ち上げられる前の作品ということで、ジブリ作品ではないと言えてしまうわけです。

 

 

ちなみに宮崎駿監督が手がけた作品はこの前にも有名なものは沢山あります。というか、今でこそようやくその価値が認められて有名になれているという結果論的な話で、実は当時はあまり評価されていませんでした。『アルプスの少女ハイジ』『未来少年コナン』をご存知の方も多いのではないでしょうか。しかしこれらの作品も当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』の影に隠れて人気が全く出ませんでした。

 

 

さらには、今では映画界の傑作の1つとされている『ルパン三世 カリオストロの城』も、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の大ヒットの影に隠れてしまいました。

 

 

こうした「戦い映画」を求める日本の風潮の中で高い評価を得られなかった宮崎駿監督は「宮崎に映画を作らせるな!」と言われるまで干されることになります。こんな逆境の中で生まれた作品がこの『風の谷のナウシカ』なのです。

 

 

『風の谷のナウシカ』は3800年の世界を描くSF映画!

ではそんな『風の谷のナウシカ』とは一体どんな世界観なのか。

 

 

時は3800年の地球。”旧”人類が興した産業文明が地球の環境を破壊し尽くした頃、調停者として現れた巨神兵たちによって「火の七日間」という戦争が起こされ、壊滅した後に残された人類が今尚戦争を繰り返すという不毛な時代が舞台です。

 

 

荒廃した地球のほとんどは「腐海(ふかい)」という毒ガス(瘴気(しょうき))を放つ森に覆われ、人類はマスクを付けなければ生きていけない状況になっています。マスクを外せば肺が焼かれて死ぬという過酷な環境になってしまったわけです。そんな地球で人類が過ごせる場所というのは本当に極限られたエリアのみ。そんな貴重なエリアを奪い合ったり資源を食いあったりしているのが今を生きる”新”人類です。

 

 

私たちが当たり前のように使っている機械のエンジンも、この世界ではもはや製造技術は200年以上前に失われ、”発掘”することでしか飛行機を飛ばすこともできません。方や、身体から抜け出した精神だけで何かを感じ取ったり他者と会話したり念話したりできるという、不思議な現象が見受けられる世界でもあります。

 

 

さらには、この世界は腐海に加えて身体が巨大化した昆虫群「蟲(むし)」の支配する世界でもあります。超巨大装甲車のようなダンゴムシのような構造の蟲「王蟲(オーム)」をはじめ、巨大なアブの「ウシアブ」、UMA(未確認動物)とされているスカイフィッシュに似た昆虫「ヘビケラ」などおびただしい数で生息しています。

 

 

先ほど言ったように、エンジンすらも発掘頼りの世界ですから、使っている武器類もほとんどが旧時代的なもの(つまり現代使っているようなもの)ばかりな上に、蟲は1匹でも殺したり怒らせたりすれば他の蟲たちをも怒らせ一斉に攻め込んでくるということで、むやみに撃退することもできない状況です。そんな肩身の狭い状況下で、虚勢を張り資源を奪い合う愚かな存在、それが人類として描かれています。

 

 

ちなみにこうしたSF感の設定で参考にした作品があるそうです。それがイギリスの小説家チャールズ・W・オールディスの『地球の長い午後』。実はこちらの本もすでに発注かけたので、もうすぐ届くことと思います。こちらも読んだ感想をこのブログで共有したいなとも思います。

 

 

『風の谷のナウシカ』は女性が主役の世界!

そんな『風の谷のナウシカ』は1984年の作品、つまり今2020年からすると36年前の作品であるはずなのに、あらゆる点で新しい価値観を有しています。その中の1つが「女性が主役」だということです。

 

 

この作品に登場するキーパーソンは、風の谷の族長ジルの子ナウシカをはじめ、大国アルメニア帝国の第四皇女クシャナ、最初に古代兵器「巨神兵」を掘り起こした都市ペジテ市の姫アステルなど、とにかくストーリーの鍵を握る人物がことごとく女性という世界観です。その前の『アルプスの少女ハイジ』もハイジやクララといった女の子たちが主人公でした。

 

 

今でこそ女性の社会進出や女性のリーダー論というのが当たり前になっていますが、当時の日本はまだまだ戦艦ヤマトやガンダムなどのゴリゴリ戦争モノが脚光を浴びる男性的な社会でした。この『風の谷のナウシカ』の評論などで動画をあげている岡田斗司夫さんも、宮崎駿監督の描く世界観、例えば『ルパン三世 カリオストロの城』で監獄のような部屋からクラリスを解放するルパンたちの描き方を見て「『こんな束縛から抜け出して自由に生きようぜ!』という逃げ出す世界観よりも、どんな理不尽な世界でも状況に飲まれて苦悩しながら戦艦に乗り込んだりガンダムを操縦する者たちの弱いなりに戦う生き方に共感する風潮が強かった」と分析しています。

 

 

その点今回の『風の谷のナウシカ』は、ある意味で宮崎駿監督の信念に蓋をし、社会に迎合した感じはあります。追い込まれた人類が弱いなりにももがき苦しみ真実を求める。映画では特に死んだはずのナウシカが蘇ってしまうという宗教映画になってしまったとさえ言われています。

 

 

ちなみに映画製作当時、エンディングの候補は3つあったとか。1つは迫り来る王蟲(オーム)の大軍を前にナウシカが降り立ち、ここで「エンド」とするもの。もう1つは降り立ったナウシカが王蟲(オーム)にはねられ死んでしまうというもの。そして今回のものです。最終的に期日が迫ってきた焦りから、咄嗟に3つ目の「蘇りエンディング」を選んでしまった宮崎駿監督でしたが、後から「もっと良いエンディングにすればよかった」と悔やんだとも言われています。

 

 

とにかく社会全体がそうした苦悩しながらも立ち向かう主人公を求めており、かつ他の作品が男ばかりだったことを受けて、あえて女性主人公で挑んだ作品がこの『風の谷のナウシカ』だったのでしょう。

 

 

さて、あまり長くなると読む方も大変かと思いますので、続きはまた分析が進んだ頃にお伝えします。今のこのコロナパンデミックの時期にナウシカが再上演されることの意味を考えてみたいと思います。

 

 

 

 

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