GIGAスクール構想で文部科学省と教育はどこに向かうのか|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

今回は2019年12月に文部科学省から発表されたプロジェクト「Global and Innovation Gateway for all(略称GIGAスクール構想)」について扱います。今回の情報は東洋経済さんがまとめて下さったサイトの情報を参考にさせていただきます。

 

 

ざっくり言えば、小・中学生に1人1台パソコン(おそらくノートパソコンかタブレット端末)を整備して教育環境をアップグレードしようという試みかと思われます。ICTを基盤とした次世代型の教育を!というのは何年も前から言われていたことですが、それがコロナの影響でオンライン環境の整備が急務となったことで、予定を前倒しにして進めていこうということになっているようです。

 

 

そこで今回のこの記事では、GIGAスクール構想についてまず基本を知っておき、これから教育現場がガチャガチャ混乱してくることに備えようという趣旨でお話をしていきたいと思います。

 

 

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文部科学省のGIGAスクール構想は完全に後進

まずICTとは何かですが、これは「information and Communication Technology(情報通信技術)」のことです。PCだけでなくスマートフォンやスマートスピーカーといった様々なコンピュータを使った情報処理や情報技術の総称です。ITと違って「Communication」が入っていることから、単なる情報処理に止まらずネットワーク通信を利用した情報や知識の共有を重視しているよ、というメッセージが込められています。

 

 

それこそ実社会では、今回のコロナパンデミックによってオンラインを活用した学習や就業が全世界的に急に求められるようになり、ウィルス感染を避けるため人と人が直接対面することへの懸念から、どうリアルに近い情報価値をネットを通じてお客様に提供できるかという課題が生じてきました。

 

 

そうじゃなくても、中国が「一帯一路」と共に進める5Gインフラの拡張プロジェクトによって通信速度が劇的に上がることに加え、元からあったコミュニケーションツールのFBやTiktokやインスタなどのSNSやYoutubeをはじめとした無料動画サービス、果てにはあらゆる電化製品がどんどんオンラインに繋がれていくIoTや自動運転車、MaaSなど、とにかく現代は加速度的にオンライン化に向かっています。

 

 

これが学校教育という分野に限れば、学校に人を集めること自体がコロナ禍ではリスクなので、自宅待機の上での学習管理が急務となり、その管理体制の一環として今回のようなネットワークを活用したGIGAスクール構想が急がれてきたわけです。

 

 

流石にこれまでのような黒板とノートというやり方は旧時代的すぎますよね。ちなみに日本をいまだに先進国だと思っている方は多いですが、世界的なクールな見方でいくと、もはや発展途上国です。東アフリカの国ルワンダではすでに1人1台PCは当たり前、病院にはペッパーくんみたいなロボット看護師がすでに配備されています。教科書で「バルト三国」として習ったエストニア、ラトビア、リトアニアのうち、エストニアは2000年からすでに「電子国家」と呼ばれ、役所関係の書類はもとより、選挙も電子化されています。

 

 

小さな島国日本は今、完全に浦島太郎になりつつあるのです。

 

 

文部科学省のGIGAスクール構想の4つの軸の「真実」

文部科学省はGIGAスクール構想を通じて、ICTを基盤とした先端技術を活用した「子どもの力を最大限に引き出す学び」を実現しようと考えています。そのために掲げた4つの軸がこちらです。

 

 

① 時間、距離の制約なく良質な学びを提供

② 個別に最適化された効果的な学びや支援

③「教師の経験知」と「科学的視点」を融合

④ 学校における事務の効率化

 

 

こういった「良さそうなことをとりあえずたくさん並べてみる」というのは昔からの文部科学省、というか政治のセオリーですから、まともに受け取ってはいけません。これら全てにおいて具体性がないのは明白です。「良質な」「効果的な」「融合」といったワードには意味がありません。

 

 

では1つずつ吟味していきましょう。

 

 

① 時間、距離の制約なく良質な学びを提供

まず「時間や距離の制約なく」と謳っているこの文言は、現時点での通学と授業の体制の真逆の概念です。決められた時間に通学し、チャイムで完璧に制御されたスケジュールの中で授業を受けなければならないという時間と距離に制約された環境下で、この「時間や距離の制約なく」を使う目的は、学校外の学習管理を前提にしているはずです。つまり、学校に来なくても監視の目を緩めないよ、という意味です。

 

 

この言い回しはかなり作為的ですが、実際学校に来れなくなった状況をオンラインで補おうという流れは、ひいては学校に来る来ないに関わらず、それが不登校という状況下であろうと放課後以降の家庭学習であろうと、それこそ土日に関係なく、子どもたちと学校とのコネクションを維持できるということです。

 

 

それに、先ほど指摘した「良質な」という部分も、これを文部科学省発の教材やコンテンツや学校の教師が行う授業や管理、指導体制のことを言っているのだとしたら、ちょっと語弊がありすぎます。もう学校などに頼らなくても子どもたちの周りには良質すぎるコンテンツがたくさん溢れているからです。サブスクリプションなどで月々数百円の負担をするだけで、もっと質の良い情報やサービスを受けることもできる時代です。そんな中で学校が「質」で民間企業に張り合えるとは思えません。

 

 

② 個別に最適化された効果的な学びや支援

「個別に最適化」というのも、学習塾業界で個別指導塾が流行った流れと全く同じですが、最終的にはこうした個別に最適化されたサービスがもっとも求められるのが教育であることは明白です。ただそれを現実に実行するとなると、これはもうAIに頼るしかありません。

 

 

それこそ定期テストや模試のデータ分析がこれまで以上に精密になることや、マッチングサイトがやっているようにAIが導き出した適正判定を子どもたち一人一人に適用する、といったことが容易に伺えます。端末に学習アプリを入れて間違った問題の傾向から導き出された「この子が解くべき問題」をAIが抽出して「次はこれを解きましょう」と提案してきたり、学習時間の管理アプリでスケジュール管理や実行状況がアプリを通して教師に送られたりと、これまで以上にデータ管理体制が強まることが予想されます。つまり人の手では限界がある、教師の数が絶対的に足りない中で「個別に最適化」する方法はAIの活用しかないということです。

 

 

③「教師の経験知」と「科学的視点」を融合

「融合」という言葉でどういう意味を伝えようとしているのかはもう少し検証する必要がありますが、正直「教師の経験知」ほど当てにならないものはありません。なぜなら教師の経験はかなり限定的だからです。

 

 

教師の大半は小中高大と進み、教育学部の後に教育実習を受けて現場に配属されて教師になっていきます。この過程で普通に社会に触れる機会がほとんどないのです。それこそ周囲と同じく部活、バイト、海外旅行といった経験しかない教師が大半でしょう。中には投資スキルがあったりヒッチハイクで日本縦断したり、他業界からの出戻りで教師になっている方もいらっしゃるでしょうから、一概には言えませんが、よっぽどラッキーな出会いがない限りは一般的な教師と当たる確率の方が高いでしょう。つまり経験知がほとんどない教師です。

 

 

ここに科学的視点がどう融合されるのか。教師、教育学部志望者は基本的には文系ですよね。理系が得意でも教師になりたいから教育学部!という方もいらっしゃるでしょうが、文系寄りの人たちがどれだけ科学的視点を融合できるだけの素養があるかという話になります。

 

 

当然この部分を教育学部でしっかり習得してくるというのなら安心ですが、私の知る限りでは教育学部が教師を育成する過程でまともな機能を果たしているとは思えないんです。これはかなり失礼な言い方になりましたが、実際にお子さまの担任教師や所属する学校の教師の方々の「能力」を冷静に判断していただくと共感いただけるのではないでしょうか。人柄の良い教師、感じの良い教師、子どもたちのことを思ってくれる教師ということではなく、「能力」の高い教師がどれくらいいるのかはすごく疑問です。

 

 

④ 学校における事務の効率化

ここまでの内容を読んでいただくと、これでどうやったら教師の仕事が減ると思えるのか疑問でなりません。学校内だけでなく学校外での生徒管理まで可能になり、AIで導く各生徒への個別的な最適解を保証するにはちゃんとデータをAIに処理させないといけないのですが、その膨大化したデータを誰がAIに読ませるのか、そのAIの抽出したデータを誰が頭に入れて三者面談等で生徒さん及び保護者の方々に共有するのか。

 

 

「事務」というのが教師の生徒管理でなく、完全に事務作業を行う別スタッフ(事務員さん)の話であれば分からなくもないですが、科学的視点を融合しなければならず、AIの生徒管理システムをしっかり覚えて、AIへのデータ注入と処理結果の把握を行い、最終的にはICT環境のハッキング被害や情報流出の責任は現場の人たちが取らされるという状況で、「事務の効率化」がどこまで実現できるのか心配です。

 

 

現状こういった環境整備に5年かけるとされていますが、5年も掛けていたらどんどん遅れを取るだけです。というか学校の環境整備よりもはるかに、子どもたち自身がインフラ耐性を付けていく方が早いので、「え〜こんな時代になってもスマホ持ち込み禁止なの?」という時代錯誤な学校環境が姿を変えるだけになる気がしています。

 

 

文部科学省のGIGAスクール構想に期待している皆さんへ

今回は問題点ばかり指摘しましたが、実際のところ問題点しか見えてきません。もう自分たちで勉強できるようになった方がはるかに安全に将来を模索できるはずですが、まだ学校や学習塾に期待している方々には届かない警鐘なのかも知れません。

 

私は以前から学校や学習塾に対しては悲観的な人間なので、あまりそういうメッセージを強く発すると煙たがられてしまうのですが、自分で勉強した方が楽だし早いでしょってことに、このコロナ禍で気付かれた方が結構いたんじゃないかなと思っているのです。そんな方々に届いたらいいなと思って書いてみました。もうそろそろ学校や学習塾を見限った方が賢明である、と。学習塾はまだ利用価値はあるものの、それが本当に毎月数万円、毎年数十万円〜数百万円掛けるに値する環境ですか?ということを冷静に判断されてみてはいかがでしょうか。Youtubeだけでもかなり良質なコンテンツが得られますよ!

 

 

今はそういう時代なのです。

 

 

 

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