PHはペーハー?ピーエッチ?変化する教育が混乱を生む|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

今回は「変化する教育が混乱を生む」という話です。変化すること自体は大事なことなのですが、変化することそのものを重視しすぎて、どうでもいいことまで変化させたり、それらの変化のさせ方が雑だったりして、結局現場を混乱させてしまっているという話をしていきたいと思います。この場合の現場の混乱というのは、子どもたちへの指導体制が混乱しているということですから、言わずもがな、被害者は子どもたちということになります。さらに言えば、学校で教わることが一生影響するかも知れない現実を考えれば、この混乱は改善されることが急務と言えるでしょう。

 

 

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PHはペーハーかピーエッチか?

まず最近またFBに流れてきたネタですが、化学で習うPHを「ペーハー」と呼ぶか「ピーエッチ」と呼ぶか、という話がありました。私の現役の時代にも「ペーハー」と習っていたのですが、今ではこれが「ピーエッチ」だと言うのです。それで昭和か平成かが分かると。

 

 

正直こういった議論が不毛なんです。なぜなら「どっちも覚えておけ」が結論だからです。

 

 

そもそもPHとは水素イオン指数のことで、アルカリ性なのか酸性なのか、はたまた中性なのかというのを判断する時に使われる単位です。PHが低ければ酸性、7が真ん中で中性、そして8以降になるとアルカリ性が強まる、という風に考えます。1909年にイオン濃度がタンパク質にどう影響するのかを研究していたデンマーク人のソレン・ソーレンセンという化学者が、特に水素イオン濃度が重要なファクターらしいと発見し、その概念を提唱しました。

 

 

日本が近代化を推し進めていた19世紀末から20世紀初頭は、ドイツにとっても興隆の時期、あらゆる分野で世界をリードする力を示していた時代でした。1889年2月に公布された日本の大日本帝国憲法も、ドイツのワイマール憲法を参考に作られたように、日本への最先端の情報はドイツ語を介して入ってくることも多かったのです。デンマークを含むヨーロッパでの研究内容も論文を通してドイツ語の情報が多く流入していたため、当初はPHの読み方もドイツ語読みの「ペーハー」が採用されていました。

 

 

それが1957年に英語読みの「ピーエッチ」に統一されます。日本の国家規格(Japanese Industrial Standard : JIS規格) を世界の国際単位系に合わせることになったのです。1957年というのは第二次世界大戦終戦直後であり、日本、ドイツ、イタリアといった枢軸国が敗戦を期した直後の話ですから、ドイツ語読みよりも英語読みに合わせろ、となるのも無理はありません。

 

 

つまり今から63年前にはすでに「ピーエッチ」に統一されていたわけです。

 

 

しかし昔の名残であり、教育現場は時代の連鎖ですから、教える人の中にも「ペーハー」で教える人が一定数以上いたことから、最近までその読み方が残っていたということになります。

 

 

ちなみに専門業者の間では未だに「ペーハー」が主流であり、現場では「ペーハー」が主に使われているのだそうです。全体ではないにしても、まだ「ペーハー」が実用されている場所がある以上、どっちが正しいとは言えません。むしろ現場に合わせて「ペーハー」で覚えておいた方がいいくらいです。

 

 

さらに細かいことを言えば「ピーエッチ」も正確ではありません。英語のHの発音は「エイチッ」に近いからです。カタカナでは英語の発音を正確には表記できませんが、少なくてもHは「エッチ」とは発音しません。

 

 

つまり、あらゆる事情を考慮すれば、「ペーハー」も「ピーエイチ」も両方覚えておくしかないわけです。だからどっちが正しいとか、ましてや「ペーハーとか言ってたら昔の人扱いされるよ」みたいなことを言う必要もありません。

 

 

ミリバールがヘクトパスカルへ。でもアメリカは、、、

同じようなことが1992年に起きました。気圧を表す記号がミリバール[mbar]からヘクトパスカル[hPa]に変わったのです。

 

 

1mbarとは、1バール[bar]の1000分の1です。単位面積の表面に100万ダイン[dyn]の力が働くときの圧力を1バール[bar]で表します。「バール」はギリシア語で「重さ」です。一方途中で出てきた「ダイン」とはギリシア語で「力」を表す言葉で、1dynとは、質量1gの物体に1[cm/s^2](1センチメートル毎秒毎秒)の加速度を与える力だと定義されています。ちなみに気象観測では、1949年(昭和24)までは気圧の単位として水銀柱の高さを使った[mmHg](水銀柱ミリメートル)を用いていました。

 

 

1992年の変更については1mbar=1hPaなので単位が変わっただけで済んだのですが、これも国際単位系への統一のために行われた変更です。

 

 

こういった単位のJIS化はこれまでも頻繁に行われていて、代表的なもので言えば重さの単位[g]グラムや長さの単位[m]メートルも国際単位系ですよね。日本が使い続けてきた尺貫法(1尺=30.303cm、1貫=3.75kgなど)は1958年末限りで廃止されています。

 

 

しかし一方で、米国では今も気圧の単位は[mbar]を使っています。国際単位系を気にせず、気温は華氏[℉]、長さはフィート[f]やマイル[ml]など独自の単位系を利用し続けています。つまり日本でメジャーな摂氏、学校で習うメートルやキロメートルに加え、アメリカで使われている単位もどっちも覚えておかねばならないということです。

 

 

結局はどっちも覚えましょうになってしまうわけです。

 

 

どうでもいい漢字の書き順、筆算の方法の変化

さらに不毛な変更は続きます。変化する教育はなんと漢字の書き順や筆算の方法までも変化させてしまっているのです。それも「これからはこちらが正しいやり方だ」と言って。

 

 

まず漢字の書き順なんてどうでもいいです。これだけデジタル時代になって文字を書くこと自体が劇的に減ってきているご時世に、学校というれっきとした場所で、漢字の書き順はこれからこっちで、なんて教育をしているというのです。その発想自体が時代錯誤です。

 

 

文字というのは情報が伝わることが最優先課題です。ですから綺麗に書く、丁寧に書く、相手に誤解なく伝わる精度で書くということが徹底されれば、書き順なんてどうでもいい話です。そういうことはこだわりたい専門家に任せておけば良いのであって、子どもたちに強制される類のものではありません。

 

 

また、筆算の仕方もよく分からない方法になりました。おそらく教師自体も困っているでしょう。

 

 

そもそも私たち一般人が行う計算はそのほとんどが計算機やスマホの計算機アプリで処理されます。手計算でやるのは数学の専門家の方々くらいです。彼らは今まだ存在していない計算式を生み出すために人生を捧げている方々なので、そもそも計算機の中にない数式を処理せねばなりません。だから計算機が使えないのです。だから手計算になる。

 

 

計算の目的はその結果を出力することです。だからプロセスに求められる要素は「スピード」と「正確性」。速く、かつ正確に計算処理できればそれで良いのであって、その計算方法で混乱させられる必要はないわけです。

 

 

例えば

「生徒が10人います。一人に2個ずつUSBメモリを配布します。USBメモリはいくつ必要でしょうか。」

という問題であれば、求めたいのはUSBメモリの「個数」ですから、計算式は「10[人]×2[個]=20[人]」ではなく「2[個]×10[人]=20[個]」の方が意味的には正確だと言えます。数字が同じでも、10人の2グループではなく、2個を10セット用意するという意味での「20」という数字だという「理屈」が重要です。これを和文数訳と言うのですが、数学を学ぶ本質的な理由がこの論理的思考力であることを踏まえて、計算式の順番や意味にこだわるというのであれば分かりますが、筆算の仕方は別にどうでもいいと言わざるを得ません。であればむしろインド式計算法を教えた方が有益です。

 

 

このように、変化すること自体は否定しないまでも、その変化の必要性をちゃんと理解して教師が子どもたちに変化を強要しているのかどうかが気になるところです。その変化が本当に子どもたちのためになっているのか、単なるパフォーマンスになっていないか、教育する側がしっかり意識して取り組んでいただきたいものです。

 

 

 

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