時間割改革!?小学校が授業午前5コマ制になる日!でもその評価は未だチグハグ??|熊本市の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本市の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。


今回は「横浜市の小学校で、思い切った“時間割改革”が始まっている」という話がFBで流れてきたので取り上げます。実際には、すでに何年も前からモデル校9校がこの時間割改革を始めていて、その成果や結果を評価できるようになってきた、という話のようです。どういった改革なのでしょうか。


それは午前中に5コマの授業をやる!というもの。そして午後にはスキルタイム、ロングタイムという使い方自由の時間枠を採用し、午前中の補足やフォローを行うという”新しい時間割”を実験しているようです。どうしてこんな実験が始まったのか、その結果どんなことが見えてきたのか。熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミーでは今回のニュースでちょっと気になることがあったので、その点についても触れていきます。


ブラック企業化した学校で教員の働き方改革が始まった!?

時間割改革がそもそもなぜ始まったのか。それは教員の残業時間を改善する目的があったと言います。


令和元年時点の横浜市では、小学校の先生たちの残業時間(時間外在校等時間)が、学校の繁忙期に当たる4月~6月の月45時間以上の割合が55.2%、過労死ラインとなる月80時間を超える人は9.1%に上っていました。社会問題となっている教員の労働環境改善のために横浜市が色々取り組む中で、次にメスを入れたのが授業枠の変更。


通常

「午前中には45分授業が4コマ、午後に1コマないし2コマの授業があって下校が3時前くらい」

というものでしたが、これを、

「午前に40分授業を5コマ、午後にスキルタイム、ロングタイムという柔軟が授業枠を入れて2時過ぎには下校」

というスケジュールに大きく変更。登校時間は固定なので、実質学校がサービス提供している時間が40分前後短縮される形となります。これによって教師の負担を軽くし、帰宅時間を早めることで、残業時間を短縮する試み、というのが今回の時間割改革の目的でした。


実際モデル校として率先してこの改革を実践されてきた学校(横浜市立つづきの丘小学校 田渕恵子校長談)の成果(評価)としては、
・生徒の学力の底上げにもつながり
・教師にも時間のゆとりが生まれて本来の仕事に時間を割けるようになった
というもの。45分を40分にしたことで、生徒たちの授業への集中度合いも上がり、成績上位と下位の点数差が縮まった。さらには教師の時間的なゆとりが生まれて生徒たちと向き合ったり、教材研究をする時間が取れるようになってやりがいに繋がっている。という評価です。


こんなに、生徒にも良くて教師にも良いなら最高の結果じゃないか!と思うのですが、、、、私はちょっと穿った見方をしてみたいと思います。


時間割改革は本当に成功している??

私がこの話を記事で読んでちょっとモヤっとしたのは、どうも目的と評価がチグハグになっている気がすることです。本来この時間割改革は「教師の残業時間の短縮」を目的に行われたものでした。でもその評価が「生徒の成績の底上げ」や「教師のやりがい」となっている。いや、それ自体はいいと思うんです。悪いことではない、むしろ素晴らしい成果と言えます。ただ、本来欲しかった「残業時間の短縮」については「未だ改善の余地がある」という評価に留まっているのが気になります。


それから、「生徒の成績の底上げ」や「教師のやりがい」というポジティブな評価にしても、これが本当に時間割改革のおかげか?と言われるとちょっと疑問です。


例えば、これまでは「午前4コマ(1コマ45分)+午後1,2コマ(1コマ45分)」という授業枠でしたが、変革後は「午前5コマ(1コマ40分)+スキルタイム、ロングタイム」という授業枠。これまで慣れ親しんだ45分の時間が40分に短縮された上に、授業準備は5コマそのままで、プラス自由に使えるスキルタイム、ロングタイムの企画をその都度考えなければなりません。これを評価では「教師の腕の見せ所」と表現していますが、要はそれぞれの教師がこれを毎回考えなければならないということです。


変化には何事も苦痛やストレスがつきものですが、これで教師サイドの負担軽減や、残業時間の短縮に繋がるのか?というとちょっと疑問なのです。むしろ大変になってないか?と。勿論、この点に関しては私が現場にいない人間なので確実なことは言えませんが、実際残業時間を減らすのは企業的には簡単にできてしまうという現実を知っていると、つい穿った見方をしてしまうんです。というのも、以前超大手企業の友人から、働き方改革によって残業時間減らしましょうキャンペーンが始まった頃に聞いた話がとても印象に残っているからです。


その友人の話では、うちも働き方改革で強制的に消灯されることで残業ができなくなったと。でもそれは建前で、要は会社の電気は決して退社させるんだけども、仕事の分量自体が減るわけじゃないから、皆んなで別の場所に移って仕事の続きをしているだけなんだ、ということだったのです。こんなのまるで笑い話ですが、本当にあった実話で、こういう話を聞いてしまうと、企業サイドが単に残業代を支払わなくて良くなっただけで、現実的には仕事が減るわけじゃないから、要は場所をカフェや自宅などに移して、見えないところで残業してるってことなんですよね。ですから、もし教員の方々がこういう「仕事は持ち帰ってるだけです」ということなら、時間割改革の本来の目的は達成できていないようだ、と感じてしまいます。


それに、45分が40分になって、確かに生徒たちにとって5分の授業時間短縮は嬉しいでしょうが、それもすぐに慣れてしまうでしょうし、午前中が4コマから5コマになっているので、むしろ体感時間は長くなったと感じるのではないかと。それが長い期間で観察した時に「生徒たちの授業への集中度合いが上がった」とする評価は、あまりに評価者サイドの主観的意見すぎて、じゃあ生徒たち的にはどうなんだろうか?という点がどうも気になってしまうのです。実際数字として成績の底上げ(成績下位だった子たちの平均点が改革後上昇傾向にある)が出ているのであれば本当なのでしょうし、私の単なる勘繰りであればそれに越したことはありませんが、こういう改革の時って、その評価がポジティブなものしか表面的に出てこないものなので、私はあまり記事の内容を鵜呑みにできないかなと考えていたりします。


時間割改革よりも必要なこと

ここからはスーパー偉そうなことを言いますが、こういう「小手先の変革もどき」は正直私は信用しません。ちょっとずつちょっとずつ変えていく。変化はあまりに大きすぎるとストレスや反発を生むので、こういう変革もどき程度の変更の方が現実的な面もありますが、私としてはハード面(構造)が変わっても、それを運営するソフト面(人的資源)が同じマインドなのであれば、結局は同じ結果に戻っていく気がしています。


勿論、学校サイドも、新型コロナウィルスによるパンデミックの影響で時間数に大幅な影響が出て、それを確保しなければならないけれど、その一方で教師たちの過酷な労働状況を改善せねばならず、板挟みの中で議論を重ねて改革を捻り出し、実験を行っている時期だと思います。私はこの議論に関わっていない分、評論家みたいに好き勝手評価しているわけですが、私自身がこれまで10年以上に渡り勉強変革をテーマに生きてきたことを前提に申し上げれば、やっぱりマインドが変わらないと結果変えられないんですよね。手を変え品を変えやっても、結局はマインドが全てなんです。ですから、今回のポジティブな結果が、ハード面ゆえではなく、ソフト面の結果だとすれば、今回の時間割改革はもう少し踏み込んだ分析と研究が必要だと思うのです。


ハード面の変革でソフト面が引きずられて変わったのか、ソフト面の変化をハード面に活かしてみたのか。ソフト面が変わったとするなら、何がきっかけで、どう変わったのか。データとして見られる結果の、どれがハード面由来で、どれがソフト面由来か。ここを曖昧にしたままでポジティブな一側面だけを過大評価して全体に適用させようとするなら、これまでと変わらないかなという感じです。見た目は変わっても、本質的には変われない。


ただ一方で、民間と違って学校は変革するにも限界があるので難しいですよね。国の機関ですから。改革者が話題に挙がることもありますが、それも一部ですし、何より教員サイドのモチベーションをそこまで持っていけるかという環境的な要因もあります。人を変えるのは難しいので、ハード面改革に寄るのは致し方ないことです。だからこそ、もし今回のポジティブ評価が本当であれば、このポジティブな側面をより掘り下げて理解し、体系化して再現可能なシステムにまで解きほぐせれば、きっと素晴らしいきっかけになると思います。


最後は尻切れトンボですが、今回は小学校のモデル校で行われた時間割改革に触れ、その実際のところを穿った角度から共有してみました(笑)何かの参考になれば幸いです。


 

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