熊本の塾長の高校世界史|ロシアの歴史!今だけを見ててもプーチン政権は分からない!?|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

今回のテーマは高校世界史。扱うのはロシアであり、またプーチン政権になるまでの過程です。特に上の動画で取り上げるのは、通史ではなく、民主化に向かうその過渡期にクローズアップした内容となります。

 

 

ロシアは中国やアメリカと違って、なかなか情報が流れてこない国です。日本にとっては同じくらい重要な国ですし、かつてはアメリカと世界を二分して争っていた国でもあります。でも情報が少ないために「ロシアってどんな国なの?」ということが見えにくくなっているわけです。

 

 

それこそかつてはソ連という呼び名にあって、完全なる全体主義による支配体制を確立し、鎖国状態の中で冷酷非道なレーニン、スターリンの時代がありました。個人崇拝を求め、秘密警察を使って言論の統制を行い、疑わしきは罰するという粛清も普通に行われていました。今でもそういう文化は残っているようですが、実は今のプーチンさんの政権になってからのロシアというのは、それまでロシアが辿ってきた在り方とは全く異なるものなのです。それが分からないとロシアを理解することができません。

 

 

最近も、反体制派のアレクセイ・ナワリヌイ氏を中心にデモや反対運動が起こっていましたが、それが表立ってできるようになったのはプーチンさんになってからくらいです。日本人の感覚からすれば「そんなの当たり前」くらいに感じるかも知れませんが、ロシアの歴史を知ると「随分マシになったね」という感じがします(笑)

 

 

今回はそんな話を少ししていきたいと思います。完全に、熊本の塾の塾長としての職務でというよりも個人的な興味・関心で選んだ本です^ ^

 

 

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熊本の塾長が感動したこの1冊『プーチン』

これは本当に当たりでした。なんせ読みやすい。池田元博さんのことは存じ上げませんし、完全なるジャケ買い(ジャケットだけを見て買うこと、表紙とタイトルだけから期待して買ってしまう行為)だったので、ここまで分かりやすいとは思っていませんでした。小説のように読める、とはこういうことなんですね。

 

 

さて、プーチンさんは元々スパイに憧れていた少年でした。KGB(ソ連時代の秘密警察組織)に中学校3年生の時点で直接希望を伝えに行くほどまっすぐなプーチンさんは、図らずも大統領にまでなってしまいます。でもこれは本当に完全に偶然の結果です。彼自身が望んだのではなく、時代の要請だったのです。

 

 

ちなみにプーチンさんが中学3年の時にKGBの扉を叩きに行った時から、彼はずーっと政府にマークされていたそうです。将来が期待される人材として。ロシアとはそういう国です。日本とはあまりにも違う。

 

 

プーチンさんが大統領になったのが偶然だと言い切れる理由は、実は国の支配体制にあります。それは、ロシアが元々共産党による一党独裁体制だったからです。今の中国もまさにそうですが、そういう一党独裁体制下にある国のトップになるためには、そのピラミッド型のヒエラルキーを1段1段登っていって、ロシアの場合にはその準トップ集団「政治局員」にならないと、大統領候補にすらなれません。しかしプーチンさんはそこまで目立つ人材でもありませんでした。大統領になる前に首相に任ぜられましたが、その時点ではKGBも辞めていましたし、本来なれるポストにいなかったわけです。

 

 

ではなぜなれたのか。それはちょうどロシアが民主化に向かっていて、ソ連が崩壊した後のロシアになっていたからです。ソ連時代のロシアであれば上記の通りの手順が必要でしたが、民主化に切り替わったばかりの不安定な情勢と、当時彼を抜擢したエリツィン政権が、エリツィン大統領自身の体調不良のために全く政治運営能力を失していて、機能する首相を必要としていたという事情があり、堅実な仕事ぶりを見せていたプーチンさんに白羽の矢が立ったというわけです。

 

 

このあたりの、ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンに繋がる流れがすごく分かりやすいのがこの本の面白いところです。

 

 

高校世界史がもっと血の通った知識になる

高校世界史の教科書を読めば、いつ何があったかが分かるでしょうし、それで試験の結果も取りに行けるわけですから、別にそれ以上のためにこの本を読んで下さいとは言いません。私だって高校時代は世界史選択でしたが、全く興味が持てずにいつも赤点ばかりでした。教科書以外の本を読むなんてもってのほかです(笑)

 

 

しかし37歳の今のこのテンションでは、とにかく世界の歴史を知りたいという知識欲の渇望感が半端ないのです。勿論このプーチンさんの本を読んだ頃には、それ以外の通史にも興味が湧いたので、そのための本も買いましたし、今回ご紹介した本が2003年出版ということで、要はプーチン政権になって2年くらいの話ですから、2020年頃までの最近のプーチンさんが分かる本も気になって探しました。

 

 

この記事を書いている今現在は日本の古代史と昭和史を同時並行的に研究していますが、とにかく「今」を理解するには「過去」を知らなければならないという欲求がすごい状態にあります。ましてやロシアという国はその最たるもので、ナワリヌイ氏ら反体制派が騒いでいますが、発言の自由が許されるようになってから国民の不満のガス抜きがこういう形でも可能になったのは素晴らしいことですが、でもプーチンさんが本当に責められるべき対象なのかどうか。勿論、比較対象がレーニンやスターリンではあまりに落差がありすぎて非現実的なのかも知れませんが、今のプーチン政権のどこにそこまでの不満があるのでしょうか。もっともっとという感じなのでしょうか。そこをもう少し知る必要があります。

 

 

歴史って、今を知るために勉強するはずなのですが、残念ながら教科書的な情報を覚えても今を理解するには至れません。実は行間が重要なのです。事実だけではなくて、そこの間にある人間としての反応というか、それがなぜ起こったのかという理由や、当時の映像や写真などから感じ取れるリアル感があって、初めて今を理解するために役立つ知識になります。それを今ひしひしと感じているのです。だからこの先興味が出てきた時には是非本を読んでほしい。教科書で身に付けた情報がどれほど浅いものだったかを知ることができるはずです。

 

 

熊本の塾長が考える高校世界史の向こう側

例えば今回の本ではゴルバチョフ、エリツィン、そしてプーチンと政権が移行していきますが、その過程にある彼らの人間としての情報が知識を深めてくれているように思います。

 

 

それこそゴルバチョフ時代にソ連は崩壊したわけですが、ゴルバチョフさん自身がソ連を崩壊させたかったわけでは全然なかったのに、同期でずっと埋もれていたエリツィンさんがゴルバチョフ不人気のタイミングを突いて国民の支持を奪い、そのままの勢いでソ連を崩壊させて、そのままロシア初の大統領に収まったといった具合に、歴史はすんなり進んだわけではないのです。

 

 

エリート中のエリートだったゴルバチョフさんは、硬直化した鎖国状態のロシアの在り方に変化をもたらしました。冷戦状態にあったアメリカとの関係改善だけでなく、世界各国との協調路線にロシアを持っていたことは歴史的に大きな功績です。鉄の女サッチャーをして「この男は話せる人物だ」と言わせるほど、ソ連にこれまでになかった柔軟な思考の持ち主であり、国民からも決して不人気だったわけではない。でもそれが反アルコールキャンペーンで一気に凋落していくあたりが政治の怖いところというか何というか。

 

 

アルコールのせいで生産性が上がらないのだというめちゃくちゃな理屈で、アルコールを国民生活から排除しようとした政策が、国民を一気に反ゴルバチョフに向かわせました。さらには民主化に進めようとしていた方針に対して、ソ連という構造自体を残したかったゴルバチョフさんの中途半端なやり方が「優柔不断な政策転換」と見なされ、政治家の間でも団結感が乱れていました。そんな矢先に保守派がクーデターを起こします。それもゴルバチョフさんが夏季休暇に入って不在の隙にです。そしてこれを鎮圧して見せたのがエリツィン。やられました。

 

 

エリツィンさんはゴルバチョフさんと同期に当たります。でもエリート中のエリートとして早くから頭角を表していたゴルバチョフさんに対して、エリツィンさんは目立てずに埋もれていました。それが反アルコールキャンペーンで崩れたゴルバチョフ政権の隙を突いて一気に形勢逆転!そのまま同志を引き連れて各国をめぐり、独立国家共同体(CIS)への引き込みに成功。結果ソ連という構造が崩壊し、各国独立の形のままで仲良くしましょうという在り方に変わっていきました。つまりゴルバチョフ政権下でソ連は崩壊しているのですが、ゴルバチョフさんがそうしたかったわけではなく、エリツィンさんがそれをした張本人であり、その後にエリツィン政権が来るもんだから、「あれ?」となる。複雑です。

 

 

でもそんなエリツィンさんも破壊者として一流でしたが、新しいロシアという国自体をどうしていくかの青写真はありませんでした。その結果、最終的には自身の大統領としての権力に固執し、自分を守るためにオリガルヒ(民主化に移行する過程で財閥化した新興富裕層たち)を囲い込んでファミリーを形成。出す政策出す政策が悉く(ことごとく)裏目に出て、国民からの支持率もどんどん下がり、正に悪循環に陥っていきます。さらには自分が体調不良で政治運営ができなくなると、ファミリーが議会を私物化し始め国はあらぬ方向へ。

 

 

そんな中で何とか実行力のある首相を置いて政治を安定させたいエリツィンさんが行き着いた人材というのがプーチンさんでした。

 

 

このあまりに人間臭い変遷が感じられないと、本当の意味で今を理解することはできないのではないでしょうか。でもそれを学生時代にしましょうとは言いません。本当にこれは自分が興味が湧いた時に初めて触れていける部分だったりするので、せめて今の勉強を、高校世界史を嫌いにならない程度にやってほしいなと思ったりします。

 

 

今回はロシアが民主化する過渡期を描いた作品『プーチン』をご紹介しました。熊本の塾長としてはかなりおすすめできる1冊なので、ご興味ありましたら是非読まれてみて下さい^ ^

 

 

 

 

 

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