熊本の塾長が勉強が苦手な子に伝えたいこと|進撃の巨人34巻を読んで考えた「自由の翼の羽ばたかせ方」|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー
こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。
いや〜ついに『進撃の巨人』が完結しましたね〜(> <)友人から勧められて以来ずっと読んできた私としては、この日が本当に待ち遠しかった!アニメなんて何周観たことか(笑)社会学者の岡田斗司夫さんの言葉を借りれば「現代の思想書」と言われるまでになった傑作中の傑作。その傑作の中で諫山先生が描いた結末とは一体どんなものだったのか!?流石にこの記事の中でその最終的なネタバレをするわけにはいきませんが、熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー代表としての立場から、私が『進撃の巨人』34巻を読んで考えたことを、特に勉強が苦手な学生の方に向けて共有して行きたいと思います。なぜなら進撃の巨人は勉強を攻略するための大事なヒントが沢山散りばめられているからです。
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熊本の塾長が勉強が苦手な子に言いたいこと
『進撃の巨人』という作品は、実は私が必ずと言っていいほど生徒さん方にご紹介する作品です。というのも、成績を上げるための重要な気付きが得られるエピソードが豊富に盛り込まれているからです。特に勉強が苦手な子にとっては、こういった漫画やアニメで気付く方が気づきやすいかも知れません。彼らにとって大切な気付きとは、えてして理屈ではなく感情的な部分だったりするからです。
例えば私がいつもご紹介するものの1つは、『進撃の巨人』の結構序盤の方のエピソードで、空気の補給をするための塔に巨人が群がって近づけなくなった時のミカサのものです。
ちょっと説明が必要なので基本的な情報を先にご説明しますと、『進撃の巨人』という作品の中で、兵士たちは空中を自在に動き回るための道具として「立体機動装置」なるものを使います。これは両脇に空気ボンベを装着し、そこから空気を噴出することで空中での推進力を得ます。空中での自在な駆動力が必要な理由は、体格的に自分たちよりも圧倒的に巨大である巨人に対して、その弱点となる首筋を狙うには、彼らの首元以上の高さから攻撃することが肝心だからです。しかしその立体機動装置も空気が切れてしまえば使い物になりません。そのため常に空気の補充タイミングを気にして使うことになります。
問題はその空気の補充ができない場合です。空気が切れて飛べなくなると、兵士は巨人の徘徊するエリアを、自分の足で走るか馬に乗って駆けるしかありません。これはかなり命懸けの行動になります。そのため先に挙げた場面では、空気補充の要であった塔が巨人によって包囲されたことで近づくことができなくなり、そのままでは空気が切れるまで、つまり巨人に食べられてしまうまで身動きが取れないことになります。その状況を打開するためには、なんとかしてその塔の内部に侵入し空気を補充するしかない。しかし既に上官たちは他の巨人の対処で手一杯な上に、その場には新兵しかいない。確実に誰かが死ぬであろう塔への突入決死作戦の指揮を取れる人間がいないわけです。初めて巨人を目の当たりにし、さらには目の前で巨人が仲間を食べるところを直視してしまった新兵達の内心はもはや絶望一色。恐怖で誰一人動けない。
この状況を打開したのがミカサです。彼女はその現場にたどり着く前に、最愛の人エレンを失ったと思っていました。自分が命を懸けて誰よりも守りたかったエレンが巨人によって殺されたショックで冷静さを無くした彼女は、ただただ彼からの言葉を支えに皆を扇動します。
「私は生きる。勝てなければ死ぬだけ。戦わなければ勝てない。私はとても強い。ので、たとえ一人でも巨人たちを全員打ちのめすことができる。あなたたちは腰抜けだ、黙って指でも咥えて見てればいい。」
ここから怒涛の快進撃が始まるのです。
この、決して長くはないエピソードから分かることは何か。それは今正に勉強が苦手な子どもたちが知るべき教訓です。それは「強烈な目的意識こそが結果を引き寄せる」というものです。
勉強が苦手な子どもたちが抱く大いなる誤解
それこそ『進撃の巨人』の中で一気通貫してエレン・イェーガーが胸に刻む「駆逐してやる、巨人を、一匹残らず!!!」というのもそうです。その強烈な目的意識が彼を突き動かし、最後まで進撃する力を与えました。これは今回の動画でご紹介する最終巻34巻の内容でもそうです。一人一人の強烈な目的意識が、絶望的な状況の中でも死ぬ瞬間までもがき続ける意志を彼らに抱かせています。
勉強が苦手な子たちというのは往々にして、「どうやったら成績を上げられるんだろう?」「どうしたらもっと頭が良くなれるんだろう?」と考えてしまうものです。しかしそう考えているうちはいつまで経っても苦しいだけで結果は出ません。勉強が苦手な子専門の塾や家庭教師というサービスもありますが、それで劇的に結果が出て、それ以降も継続的に成績が伸び続けたという話は聞いたことがありません。勉強のやり方のポイントはいくらか教えてもらえるかも知れませんが、結局は勉強時間を伸ばしたり、勉強量を増やしたり、お金を出して評判のテキストを買ったり質の高い授業を購入したりし続けなければ現状を変えられないのが現実なのではないでしょうか。
それはなぜかというと、勉強が苦手な子たちが大いに誤解してしまっているからです。どんな誤解か。それは「良い方法さえ教われば結果を変えられる」という誤解です。
「どうやったら成績を伸ばせるか」「どうしたら効率的な勉強ができるか」という方法論ばかりに目が行っていると、もっと大事な、より本質的な問題点に意識を持っていけません。そういう子たちが真っ先に考え明確にしなければならないのは「なぜ自分は勉強するか」です。他にやりたいことが沢山あるのに、どうして自分はやりたくもない勉強をしているんだろう?こんな面白くもない勉強が本当に今自分がしたいことと言えるんだろうか?本当にこんな勉強をして幸せになれるのかなぁ?こういう疑問にまず決着をつけない限り、問題は何も解決しません。
先程の『進撃の巨人』のエピソードでは、ミカサが絶望の淵から皆を扇動して事態を好転させたわけですが、彼女の中には具体的な解決方法(その場を打開するための具体的なビジョン)は何もありませんでした。ただ「生き残らなければならない」「私は生きる」という強烈な目的意識があっただけです。ですから、実際には何もプランがないまま新兵たちを焚き付けて塔に突っ込ませたのはいいものの、自分はエレンを失ったショックのために死に急いでしまい、彼らの命に何の責任も果たさぬまま、生きることから逃げようとした。それが奇跡に救われることで九死に一生を得て「なんて馬鹿なことを」と目を醒ますわけですが、それでも、強烈な目的意識と、「やる」という覚悟があれば事態は変えられることをミカサの行動が教えてくれるのです。
つまり方法論がどうとか考えているうちはベクトルがずれていて、その前にまずは「絶対に成績を上げてやる」「自分は◯◯高校(△△大学)に合格しなければならない」と決めることです。そうやって辿り着きたい未来を先に決めてから勉強を始め、勉強をしながら「もっと早く結果を出す方法はないか?!」「もっと効率的に勉強する方法はないか?!」と走りながら考える感じで進めます。
そして、さらに重要なことがあります。それは「そんなことが自分にできるのか?」なんてことを一切考えないことです。
「勉強が苦手」を克服する方法
『進撃の巨人』最終巻である34巻でも描かれているのは、絶望的な状況の中でも全員が「エレンを止める」ことしか考えず、「そんなことが自分たちにできるのか」なんてことを一切考えない姿勢です。
状況が深刻で、かつ解決が急を要する場合、えてして人間の脳というのはフリーズし十分な機能を果たせないものです。そういう場合に大切なのは「行動を止めない」こと。泣こうが喚こうが状況は改善しません。誰かの助けを待ったところで誰も助けてはくれない(と、少なくても考えるべきです)。サミュエル・スマイルズの『自助論(西国立志編)』の示すように「天は自ら助くる者を助く」で、結局は自分でどうにかしなければと懸命に努力する人こそが、周囲を巻き込み事態を動かすことができるのです。
勉強が苦手な子に求められていることは、それでも勉強するのかどうかです。そしてもし「勉強する」と言うのなら、なぜ勉強するのかを考えることです。そもそも勉強が苦手なのは、勉強が嫌いだったり、勉強をする気がないからです。能力の問題も多少はあるかも知れませんが、多くは感情的な問題に過ぎません。自分は勉強が苦手なのだ、自分は頭が悪いのだと思い込んでいるケースの方が普通です。問題はそれを取り除く意思が本人にあるのかどうか。思い込みはそれまでの経験則からくるものですが、過去をベースに自分を評価しているうちはそのリミッターは外れません。感情がブレーキになり行動が制約されるからです。
結果を変えるためには行動を変えるしかありません。そして過去に何があったのかをどんなに気にしたところで過去を変えることはできません。変えられるのは未来だけ。つまりいつも未来の行動を変えるために何をどうすればいいのかを考えるのみです。そういう時には情報、知識は確かに大事なのですが、どんな情報が今の自分に必要なのかを知るには、心に聞くか目的に沿わせるかのいずれかしか方法がありません。特に変えたい結果が明確であれば後者に委ねた方が確実です。つまり最初に達成したい未来(目的)を決めることです。
「勉強が苦手」というのは、勉強が嫌いだったり勉強がしたくなかった頃のあなたの行動の結果であって、それを未来まで引きずり続けるかどうかを決めるのはあなたです。「勉強が苦手」はあなたの性質ではなく「選択」。だからいつやめてもいい。そして「よし、今度は勉強得意になろう」と決めさえすれば、あとは「勉強が得意な子の真似をしよう」という話になります。でもそれでもこれは方法論の話ではありません。考え方の話です。彼らは何をどう考えて勉強をしているのか。方法だけ真似ようとしても絵に描いた餅。
『進撃の巨人』に登場するジャンという人物は心の弱い人間です。しかし彼は強い人間ではないからこそ弱者の気持ちが分かり、一方で物事を俯瞰的に捉えることができるからこそ、今を何をすべきかが分かる能力があると自覚しました。しかしそれも自分で気付いたのではなく、亡くなった友人マルコから言われて気付いたことです。でも彼はマルコからそう言われた瞬間に選択肢を与えられました。ただ感情的に喚き散らすだけの弱い人間か、弱者の気持ちに寄り添うことができ、その場その場の状況を冷静に分析することのできる指揮官気質の弱い人間か。そのジャンは結局最終巻を迎えるまで、後者の人格であり続けました。
自己認識は行動を変え、結果を変える。漫画ではあるけれど、学ぶことが沢山ある現代の思想書『進撃の巨人』34巻で最終巻とはなりますが、何度読んでも気づきをくれる良書です。気分転換などにお手に取ってみられてはいかがでしょうか?
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