熊本の塾長も納得!これで「がんばっても成績が伸びない理由」も分かる!|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー
こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。
今回ご紹介する本は心屋仁之助さんの『がんばっても報われない理由』なる本なのですが、ハッキリ言うとこの本だけでこの本の言わんとしていることを理解することは難しいと思います。勿論表面上のメッセージは分かりやすいです。分かりやすいんですが、その根底にある「そうなる理由」がこの本では理解できないのです。これは著者である心屋仁之助さん自身も「なんでか知らんけどそれで上手くいくんです」とおっしゃっています。つまり理屈が明確になっていないものなんです。
熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミーでもこの本で語られている発想は生徒さん方に共有しています。「がんばっても成績が伸びない理由は『がんばっているから』だよ」と。がんばってる”から”伸びないのであって、がんばろうとするから努力の方向を間違えるのだ、という話なのですが、これは私が他にも山ほどの本を読み、自分なりに研究し考え抜いた結果行き着いた解であって、この本1冊から導き出せる結論ではないのです。心屋仁之助さんは「がんばらないこと」「がんばることをやめたら上手く行き始めた」と提案しているのですが、それで上手くいくわけがありません。でも彼の感覚ではそうなのです。ここがちょっと怖いところです。
そこで今回は、『がんばっても報われない理由』の主張を私なりに補完しながら、がんばっても成績が伸びない理由をご説明させていただきたく思います。
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がんばっても報われない理由
まずこの本で語られている「がんばっても報われない理由」についてお話します。
最初に根本的な気付きが必要です。「なぜ、がんばるのか」です。日本人は特にがんばることが当たり前だと思ってしまいます。そういう風に教育されてきたからなのですが、この思い込みが全ての元凶。がんばることが当たり前では、必ずしもないという発想に切り替えることが第一段階です。
ではなぜ、あなたはがんばるのか。なぜあなたはがんばろうとか、がんばらねばならないと思うのでしょうか。それは現状に満足していないからです。そして今の自分が嫌だからです。もっと状況を良くしたいし、もっと違う自分になりたいと思うからがんばろうと思うのです。現状に満足し、今の自分に不満がないなら、別にがんばろうとは思いませんよね。
ということは、現状が嫌だし、今の自分が不満だからがんばってもっともっとを求めているとすれば、その「がんばろう」のスタート地点が自己否定になっています。自己を否定し、自己評価の低い状態でその先のより良い結果を求めるその在り方で、より良い結果が出せるはずがない、というのが心屋仁之助さんの主張です。
これをギュッと一言で言うと「がんばっている”から”報われない」「がんばろうと思っている”から”報われない」ということになります。
そして、これは学校や学習塾でさせられている勉強についても同じことが言えます。もしあなたが「がんばって成績を伸ばそう」と思っているのなら、その「がんばろう」と思っている時点で伸びませんよ、ということです。
がんばっても成績が伸びない理由
いやいや、がんばればがんばった分だけしっかり成績は伸びますよ!っていうか、伸びましたよ!とおっしゃる方も多いと思います。実際がんばった結果成績を伸ばせたという体験をされた方も多いはずです。では私が「伸びない」と言った理由は何か。
まず、がんばって成績が伸びたという場合、それは何をどうがんばったのでしょうか。おそらく、それまで以上にたくさん勉強したのでしょう。勉強時間が増えたので、勉強量が増えて、相対的にそれまでと比べて消化した問題数が多くなったことで、確率論として正解できる問題を増やすことができた、という話なのだと思います。試験やテストでは、どこかで見たことのある問題しか出題されないはずで、試験範囲として設定されている箇所の問題演習量を増やせば、その「どこかで見たことのある問題」が多くなるため、試験当日に解くことのできる問題は相関的に多くなるという理屈です。
でもじゃあそういったがんばり方をいつまで続けることができるでしょうか。今回一回がんばったからと言って、「じゃあまた次回もがんばろうね」となります。今回がんばったことで、また、がんばらねばならなくなったわけです。そして今の成績を維持しようと思えば、そのがんばりをずっと続けなければなりませんし、その成績よりももっと上の成績まで伸ばそうと思えば、もっとがんばらねばなりません。
これは要するに、引きの強い大きな輪ゴムを両手でグイッと引っ張っているようなものです。引っ張っている間は確かにグニーっと伸びているかも知れませんが、手を話した瞬間に元の長さに引き戻されてしまいます。グニーっと引っ張れば引っ張るほど、それ以上に伸ばそうと思えばもっともっと引っ張る力を上げる必要があります。物理で習いますが、弾性力は引っ張った距離の2乗に比例するので、引っ張る距離が長くなればなるほどその2乗分の力が要るわけです。
ましてや、上記では実際にがんばれた場合の想定でかなり楽観的な話をしましたが、現実問題としてはこの「がんばること」自体が大きなハードルです。がんばることができないから、がんばらねばならないと思える状況に追い込まれているわけで、まずはこの「がんばること」自体が必要な行動なのですが、この行動を取れないことが根本的な悩みなわけです。だからこそ、この「がんばる」という行動を取れるかどうかという議論において、がんばろうと思ってその行動を始めようとするとキツくないですか?ということになります。がんばろうと思うからがんばれない。がんばろうと思うから、がんばることが余計億劫なことになっていく。がんばろうと思えば思うほど、その先に続く「がんばり続けなければならない過酷な現実」が重くのしかかってくる。。。。
単発的に成績が伸びることはあるかも知れませんが、がんばって成績を伸ばさないといけない人が、その後継続的にそのがんばり以上のがんばりを続けていける確率はどのくらいあるでしょうか。その意味で私は「がんばっても伸びない」と言ったのです。
がんばることと努力することは違う
では熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミーでは何を教えているのか。それはこの「がんばる」という発想自体が間違っているということです。がんばろうとするからダメだと、がんばらなくても成績が伸びる方法を考えなさい、と教えます。この発想自体は心屋仁之助さんと同じです。
そもそも、がんばろうと思うということは、その根底には確実に現状への不満や自己否定が内在しています。これは別に自覚的にとか無自覚的にとか関係なく、がんばろうと思う心理の原理としてそうなっているのです。でなければ、がんばる必要はないはずです。
少し脇道に逸れますが、心理学的にはこういう話はよくあります。「医者になりたい!」と思う時、それを目標として掲げているとしても、その掲げ方では成就する可能性は限りなく低くなります。なぜなら心理学的にこのワードは逆暗示になるからです。つまり「医者になりたい!」と思うということは、今のあなたは医者でないという認識になるので、これが自覚的にせよ無自覚的にせよ(自覚があったらこんな目標の持ち方にはなりませんが)「医者になりたい!」と唱える度にあなたは自分に「でも今の私は医者ではない」と繰り返し暗示をかけているということになります。これが「目標を願望形で書かない方がいい」とアドバイスをする理由です。
話を戻すと、このように「がんばろう」と思うからスタート地点から脳の使い方を間違えるのであって、そもそも「がんばってはいけない」のです。がんばらなくても成績が伸びる方法を考えることが大事であり、がんばることではなく努力することが必要なのであって、そこを履き違えると空回りすることになります。
ちなみにがんばることと努力することが意味することには天と地ほどの違いがあります。私の塾ではコンサルをする過程で「がんばらなくていいから努力をして下さい」と言います。「がんばる」とは主観の問題だからです。
元々勉強がしたくないという子が、日頃のがんばり1に対して3がんばったとしても、本人は「がんばった」と感じるでしょう。でもその子に必要ながんばりが5や7だったら、つまり現実に成績を伸ばすために必要ながんばりが本人の主観レベルとして5や7だったら、それをその子は実行できるでしょうか。3がんばったからいいじゃんと本人は思っている。でも結果その3のがんばりでは成績が伸びない。すると「せっかくがんばったのにダメじゃん」となる。これは間違った発想です。
何をすべきかは本人の主観とは全く関係ありません。成績を伸ばすにしても、どれくらい伸ばしたいかで必要となる「やるべきこと」は変わってきます。そのやるべきことが今のあなたにとって10や20のがんばりだとすれば、あなたはそれを主観で捉えた瞬間にパンクして終わりですが、それをすれば成績は欲しいだけ伸びるのだからやるしかないわけです。そしてそれをしなければ成績は伸びない。単純な図式です。だからやるべきことをやれば嫌でも伸びる。やらないから伸びない。それだけなのです。そしてこの「やるべきことをしっかりする」ことこそが努力です。だから「がんばる」と「努力」は根本的に発想が異なるわけです。
今回ご紹介した本は、がんばっても報われないならがんばることをやめましょう、というめちゃくちゃな提言ですが、その根底にある発想はとても重要です。でも言われた通りにがんばることをやめれば、さらに事態は悪化するのが普通です。心屋仁之助さんは「がんばることをやめた」と表現していますが、それが意味するニュアンスをしっかり認識しないといけない。本当に何もしなくなったはずはありませんから、どんな状況を「がんばることをやめた」と表現したのかを知るためにも、この方の場合は他の書籍も併せてお読みいただく方が無難かなと思いました。
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