国家資格キャリアコンサルタント、技能士2級合格を目指す人のための具体的勉強法|熊本市の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本市の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。


前回に引き続き今回も、国家資格キャリアコンサルタント及び技能士2級合格を目指す人のための具体的勉強法について展開していきたいと思います。なお現時点では私もまだ合格前の身なので、私が合格するまでは話半分で聞いていただくのが良いかと思います。あくまでも私だったらこう勉強する、というプラン例を描いたものです。


前提として、やはり各自受験生は本業があってのスキマ時間で国家資格キャリアコンサルタントや技能士2級の勉強をされるでしょうから、効率という点は重視した方が良いでしょう。その効率をどう生むかというと、それは勉強の方針と、具体的な取り組み方に因ります。熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミーは勉強法や勉強マインドの専門として、効率的な勉強法をご提案するのが仕事でもあるので、今回私が実践する勉強法も、それメインに取り組む前提にないことをご了承下さい。たっぷり時間を掛けられる方にとってはもっと贅沢な時間の使い方、勉強法も可能ですが、今回はより効率化するために、という視点でお話させていただきます。

国家資格キャリアコンサルタント及び技能士2級の学科試験勉強法

まずは学科試験です。こちらの対策は比較的予想通りということになります。ただ、その際に持つべき視点は「実践ですぐ使うことになる」というものです。


これは一見前回の記事の内容とは矛盾しているように感じられると思いますので補足します。


国家資格キャリアコンサルタント及び技能士2級の試験は主に3つ。「学科試験」「実技試験(論述)」「実技試験(面接)」があります。そのうち学科試験で出題される内容は他の2点の試験に比べて格段に広いです。後者2点の試験についてはある程度過去問をやり込むことで「パターン」「雛形」が見えてきます。つまり、何をどう書けばいいのか、何を問われるのかが決まっているということです。しかし学科試験はそこで求められる知識量よりも遥かに多くの知識を求められます。


例えばキャリアコンサルタントの求人案内を見ると、ジョブカードの作成補助や、いきなり実践的なスキルを求められます。どんな境遇の方が来られるかが分からない中で、専門機関との連携やリファー先の提案などができる引き出しが必要です。


確かに前回の記事で言えば、試験対策と実際は分けて考え、過去問をやり込んで数をこなしながら、頻出範囲を優先的に仕上げていくことが効率的だという話をしましたが、その根底に置くべきマインドに関しては、「学科試験の勉強を論述試験や面接で活かす」というより、「その先の実際の現場で即求められることを意識した勉強」が記憶定着を促進させます。それに論述や面接では学科試験で出題されるほどの知識を実際に使いこなせるところまでは求められないので、実際学科試験での知識のほとんどは論述や面接では使えないのです。また、記憶のメカニズムから見ても、ただの専門用語の暗記よりも、使うために必要だから覚えないといけない!という意識で勉強をする方が覚えられることがわかります。


ちょっと専門的な話になりますが、記憶には無意味記憶と有意味記憶がありまして、興味関心を向けられることのない、ただ覚えるだけの知識は、私たちの脳には「文字の羅列」「記号」でしかありません。他の記憶と有機的な繋がりを持たない、意味を持たない用語を覚えるのは、脳には負担でしかないのです。そして、総じてそういった知識の暗記に、脳は向きません。しかし、一方で「こういう属性の方が来たら、この知識は使えるよな」「こういう状況になったら、この知識があった方が頭が整理しやすいかも」といった、実践を踏まえた覚え方を意識していると、これまでの経験やそれまでの知識がリンクしていきます。使うための知識は「この個体にとって必要な情報だ」と脳が認識するのです。すると脳は「これは覚えるべき情報」と認識してくれるので覚えやすくなるのです。


ですから、試験勉強としては過去問を解きながら理解の曖昧な用語を逐一テキストで確認しながら進める、という方針が考えられます。覚えるために覚えるのでなく、使うために覚えるからこそ自発的に曖昧な点を解消したくなる、という勉強のやり方が理想です。


また、これは論述や面接対策でもそうですが、試験勉強の序盤から中盤までは「考えないこと」が功を奏します。考えるのではなく、まずは暗記に徹するということです。必要な、そして正確な知識をより効率的に頭に残すには、まだ脳内の情報が曖昧、中途半端なうちにあれこれと思考を巡らせて問題を解くよりも、まずは答えを横に置いてすぐに確認できるようにし、5秒で答えが出せないものについてはすぐに解答を見て正解を頭に入れる時間を作った方が効率的です。これは論述対策でも同じなので、詳細は後述します。


国家資格キャリアコンサルタント及び技能士2級の論述試験勉強法

次に論述試験です。これはあくまでも「実技試験」なので実践想定で問われるものになりますが、面接と違って文字起こしされた情報を元に回答できるので、読み返したり考えたりすることができます。ノンストップ、リアルタイムで進められる面接との大きな違いです。


例えば論述は、過去問を見ると分かるように、出題形式と回答の仕方にパターンがありますので、何を問われるのか、どんなクオリティの回答が求められるのかについては分かりやすいと思います。あとはそのパターンに応じた知識を肉付けしていく作業になります。


それこそキャリアコンサルタント養成講座を受講された際に意識付けさせられた「リレーション作り」「問題把握」「目標の設定」「方策の実行」というコンサルティング形成フローがありますが、その根底には常に「関係構築と維持」があったはずです。その上で設問で問われるのは「CCがここでこの質問をした意図は何でしょうか」と「あなたがこの後コンサルティングを続けるとしたら、どう進めますか」という問題が予想されます。


「意図」については、CC側としてCLに想定される問題の可能性がいくつか頭にあるわけですから、それらの何を明確にしようとしているのかによって答えられます。「CLの思い込みに気付かせる意図」でその質問をしたのか、「周囲とのコミュニケーション不足を自覚させる意図」があってしたのかなど、全てその「意図」の背景には、養成講座で繰り返し行った「CC視点でのCLの問題点(の可能性のパターンを明確にするため)」があるわけです。


また、最終設問でよくある「今後のあなたの方針は?」というものについては、ラポールを形成したりその関係を維持するための心掛けを踏まえて、当初来談された目的(主訴)と、これまでのやり取りで明らかになった問題点から目標を設定をして、そのために具体的にこういう方策を実行し、最後は「自律的な問題解決を促す」等の閉めでフィニッシュという流れが組めます。あくまでもCC主導ではなく、CLが自ら判断できるように支援します、というこちらの意識が見えるような書き方が求められるわけです。


ただこれも、試験勉強として捉えるならば、まずは模範解答を最初に見るべきです。「え、考える前に答えを見るの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、私たちがどれくらいの回答レベルを求められるのか、どのくらいの分量、どのくらいの深さ、どのくらいの知識を明示して回答しなければならないのかを把握した上で、そのための準備をする方が遥かに対策が捗ります。都度自分が考えて作った回答を模範解答と比べて減点方式で自己採点する方法では、モチベーションを下げてしまう恐れがあるのと、ゴールが見えないまま暗中模索的に勉強を進めることになってしまいますから、どこまで解答を書けばいいんだろう?こんなことまで書かないといけないのでは?と迷い迷いの勉強になります。まずはパターンを覚えて、「このくらいのレベルで書ければいいんだな」と分かった上で、それを真似る方向で過去問と対峙する方が効率的な勉強ができます。


これが先述した「すぐに答えを見る勉強法」です。正解の情報を十分頭に入れてから考える作業をする。ですから本番を想定した「考えて答える」勉強は終盤の試験日直前だけになる、というイメージです。


国家資格キャリアコンサルタント及び技能士2級の面接試験勉強法

最後に面接試験対策です。面接試験は国家資格キャリアコンサルタント試験で手持ち15分、技能士2級で20分となります。時間を意識することは重要なのですが、その面談(ロールプレイ)過程はコントロールできません。なので「展開」の意識には限界があるのです。なので実際の面接内容は行き当たりばったりにならざるを得ません。


問題は、その15分の時間の使い方です。

・序盤での主訴の確認(最初の要約)
・そこからの掘り下げ(もっと詳しく聞かせて)
・意図した質問で問題把握
・時間中盤辺りでの様子見
・最終盤での面談内容のまとめと目標設定

を組み立ての前提に面接のトレーニングをします。ここで論述試験でも問われた「質問の意図」がポイントになります。


CC主導になってはいけませんが、私たちキャリアコンサルタントは、意図的な質問でCLの潜在的な問題点を掘り起こしていくことが仕事です。なので、こちらの想定が外れること自体は何の問題もなくて、ただの情報収集作業なので

・「コミュニケーション不足→なさそう」
・「情報不足→ありそう」
・「思い込み→薄い」
・「自己理解→不足してそう」
・「家族の協力→得られそう」

など、こちらの仮説を、情報を引き出すことで吟味しながら、自分がCLに何をしてあげると良さそうかを考えることになります。そして15分である程度引き出したら、その情報から想定される目標設定(不足している要素をフォローするための方法提案)をして、プロとしてこういう方策を検討しています、という話に落ち着かせます。この一連の流れを聞かれた通りに答える、ということになるわけです。


勿論、グループで実践練習ができればベストなのですが、実際には集まってグループで演習するというのはしづらいかも知れません。なので以前ご紹介したようなYoutube動画を使ってロールモデルを頭に入れた上で、それをイメージトレーニングで脳にすり込んでいくというのが勉強の軸になるかと思います。


論述試験の対策は面接対策とセットなので、論述筆記で書ける内容を口頭で言う練習をするのが効果的です。誰かにでもいいですし、自分で独り言を言うのでもいいのですが、とにかく口に出して説明する練習は日頃から取り入れると良さそうです。ただ、先ほども申し上げたように、学科試験で求められるほどの知識量はまだこの段階では求められませんので、あまり知識を盛り込もうとはしなくて大丈夫です。ただ最低限養成講座の中でやっていた内容くらいは出す方がよくて、自身でまだ理解が十分でない知識をアピール材料に使ったりすると、イレギュラー質問を誘発するリスクがありますから、避けたいところです。「あれ?この受講者は今の知識は理解して使っているのかな?」と思われたら「それはどういうことでしょうか?」と突っ込まれる可能性があるので、知識の細かさよりも「問題解決のための方策設計の正確さ」の方を意識されると良いと思います。


今回は学科試験、論述試験、面接試験の勉強法について具体的に考えてみました。何かの参考になれば幸いです。


 

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