熊本の塾長が徹底解説!『風の谷のナウシカ』映画&漫画の徹底深掘り第3弾[トルメキアと腐海編]|熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

今回も前回の記事「『風の谷のナウシカ』映画&漫画の徹底深掘りを熊本の塾長が解説!その2」から引き続き『風の谷のナウシカ』の徹底深掘りに関してですが、映画漫画が内容に差異があるので必ずしも同じ解釈で解決するかは分かりませんが、基本映画の内容は漫画の設定と同じであり(それを映画の中で説明し切れていないが故に設定に違いがあるように思えても、基本設定は同じと考えて進めます)、映画は漫画の一部を切り抜いたものだと考えてこの先の深読みも進めます。

 

 

さて、『風の谷のナウシカ』と題されたこの作品ですが、宮崎駿監督としては実はクシャナへの思い入れもかなりのものだったようです。宮崎監督の中ではナウシカとクシャナは裏と表でもあり、一方で同一視している感さえあります。それはナウシカの綴りであるNausicaaと、クシャナの綴りであるCusianaaがアナグラムになっていることからも伺えます。アナグラムとは、その文字を並び替えることで別の意味のある文字列になる関係のことを指します。

 

 

それではナウシカとクシャナの生い立ちや、この国を覆い尽くさんとする腐海について深読みしていきましょう。

 

 

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『風の谷のナウシカ』の基本その4:クシャナの生い立ち

クシャナは、前回の記事で説明した通り、この世界を統べる二大強国の1つトルメキア王国の第四皇女です。彼女の上には3人の兄が存在します。が、実際にはクシャナの生い立ちはもっと複雑です。

 

 

まず漫画の記載を追うと、「父王」と「先王」という2つの表現が出てきます。原作漫画の4巻には以下のような記述が出てきます。コマ割りでいけばクシャナの過去を回想するシーンの中の続きの2コマです。

 

 

・父王さまが賜われた祝いの酒に毒が盛られていた

・姫君はただ一人先王さまの血をひく方

 

 

つまりこの2人は別人物ということになります。また明確に記述として出てくるのですが、この4人兄弟の中でクシャナだけが先王の血を引いているのです。そしてクシャナの参謀クロトワ、この人物は父王であるヴ王の命令でクシャナの監視役として付けられた人物ですが、2巻にある彼の発言で上の3人の兄たちとも血を分けた兄弟関係であることまで分かっています。そして「父王」と呼ぶからには、おそらく妃の再婚相手であり、そのためクシャナにとっての義理の父親になった、と考えるのが普通です。

 

 

ということは、4人は血を分けた兄弟であり、クシャナだけが先王の子であるとすれば、共通しているのは母親です。が、先王の死後、妃である母親が再婚したのがヴ王だとすると、そこから子供ができて生まれたとしても「兄」にはなりませんよね。クシャナが先に生まれたはずですから。でも3人は明確に「兄」なのです。ここが結構複雑です。

 

 

クシャナが腐海を抜けて南進している途中で出会う三男の兄(彼の「兄たちは〜」の発言から判明)は、クシャナを生んだ母親のことを「お前を産んだ女」と呼んでいます。自分の母親でもある女性ならば「お前を産んだ女」とは呼ばないでしょう。ということは、兄たちにとってクシャナの母親は母親ではないということになります。そして妃であるクシャナの母は先王の妻であり、ヴ王が毒を盛った祝いの酒で殺されそうになった我が子クシャナの身代わりにその盃を飲み、精神障害を来してしまいました。もうクシャナのことも認識できないほどです。溺愛するクシャナへの愛情だけは持ちつつも、脳に障害があってクシャナ本人を認識できず、クシャナと名付けた人形を大事に育てている状況です。そんな大切な母への愛情をクシャナは失っていません。

 

 

この矛盾を解決するには、立場上そういった複雑な親子関係を最も知り得ない人物、クロトワが誤解している可能性に着目する必要があります。クロトワは血が繋がった兄弟だと思っているけれど、クシャナだけが先王の血を引いているということは戒厳令が敷かれていて周知されていない情報だ、ということです。現に4巻の、先述した回想シーンの続きに

 

 

・生きるために何も知らぬふりをして下さい

 

 

とクシャナが言われるシーンがあります。当然古参の部下たちはその事実を知っているでしょうが、クシャナ以外の兄たちは正当な後継者ではないと見られてはマズイと考え、その事実を伏している可能性はなくはありません。

 

 

ただ、クシャナの監視をヴ王自ら命令したクロトワがそれを知らないというのも疑問が残ります。ここはもう少し検証する必要がありそうです。

 

 

『風の谷のナウシカ』の基本その5:腐海

腐海とはこの国を覆う瘴気(毒ガス)を放つ森のことを指します。

 

 

ナウシカの世界の設定としては、ユーラシア大陸の西の果てで生まれた産業文明が数百年のうちにこの世界全体に浸透し、その結果大地の富を奪い、空気を汚しながら文明発祥から1000年後にその文明はピークを迎えたとされています。その後急激に衰退していったあと、「火の七日間」によって巨神兵たちに焼き尽くされた世界は荒廃した不毛の地となり、その頃から不毛な地の上に新たに形成された生態系が腐海です。ナウシカの世界は「火の七日日間」から1000年後の世界の話です。

 

 

ナウシカやユパたちが行き着いた見解としては、この腐海は世界の「毒」を浄化するために生まれたものだということです。大地から毒を吸い取り浄化する過程で吐き出されるものが瘴気(毒ガス)で、その大地の毒が浄化し切れると、腐海の木々は役目を終えて砂となり朽ちていくのだそうです。

 

 

現在のトルメキア王国や土鬼(ドルク)は、その腐海に追われる形でユーラシア大陸の東の果てにある国々の集合体です。ちょうど二大強国の間には腐海が侵食していて隔てられています。

 

 

トルメキア王国は突き出た半島に位置する国で、土鬼(ドルク)はその南方に位置する国です。ストーリー的にはトルメキア王国のトップであるヴ王が盟約国に招集命令を下し、南進して土鬼(ドルク)を攻めるという設定ですが、この「南進」には2つのルートがあります。海上コースと腐海コースです。

 

 

この世界の移動手段は飛行艇ですから、何れにしても空からアプローチするわけですが、腐海は先ほど言ったように瘴気(毒ガス)を吐き散らしているので危険な進路です。当然クシャナの兄たちは海上コースを行き、命を狙われているクシャナは危険な腐海コースによる南進を命じられています。その上、確実にクシャナ軍を壊滅させるために、クシャナ軍の腐海南進の情報をヴ王および兄たちは土鬼(ドルク)サイドに内通しています。つまりクシャナはハメられたわけです。

 

 

トルメキア南進に併せて、蟲たちもまた南へと大移動を始めます。巨体の王蟲たち蟲たちの一斉大移動は「大海嘯(だいかいしょう)」と呼ばれ、圧倒的な力で人間たちも含めた大地に這う全てを蹂躙し尽くしての移動となります。蟲の津波です。

 

 

蟲は瘴気(毒ガス)を全くものともしません。腐海の木々たちに付く菌類が放つ胞子を身体にまとって飛び回ることで、蟲自身も胞子のキャリア(運び屋)となり、その結果腐海が広がっていくのです。ユパの発言から、

 

 

・ここ数年で3つの町を腐海が飲み込んだ

 

 

とあり、100年もせぬうちに大陸の全てが腐海に呑まれるだろうと言っています。そんな危険な腐海や蟲たちすらも武器として利用しようというのが土鬼(ドルク)を支配する神聖皇帝ミネルパの思惑です。

 

 

『風の谷のナウシカ』の基本その6:森の人

「森の人」は前回の記事でもご紹介しましたが、蟲使いたちの中でも最も神聖視される存在であり、腐海と共存している種族の総称です。蟲の皮を被り、蟲の卵を分けてもらって食料とし、火を放棄して過ごす彼らは、なぜかナウシカと同じ目をしていると言います。しかし当初はナウシカの存在は全く知りません。

 

 

先述した大海嘯(だいかいしょう)ですが、実は今回が初めてではなく、「火の七日間」のあと3回ほど起きています。つまり直近1000年の間に3度ということです。その最も最近起きた大海嘯(だいかいしょう)が300年前。そしてこの時に腐海に沈んだ古エフタル王国の末裔が、ユパたちが出会った「森の人」です。

 

 

つまり「森の人」はもともとは腐海の外に住んでいた人々であり、当然ベースが人ですから腐海の中ではマスクは外せません。また、不思議なことに、ある戒厳令が敷かれています。それは「腐海の結末」についてです。

 

 

腐海は大地の毒を浄化してくれます。その役目を終えると朽ちて砂となり無くなってしまいます。

 

 

腐海は表面こそ活性化し瘴気(毒ガス)を放ちますが、その下では役目を終えた木々が砂となり崩れているので空洞化しているのです。ということは、役目を終えた部分が朽ちて砂化する現象は徐々に上に上にと進むはずです。砂となって崩れて空洞化して、最も下にあった空洞は上から降り積もる砂に埋もれてなくなり、空洞は徐々に上昇、いずれはそれが地表に達すると腐海のない大地が顔を出すというわけです。これを「腐海の結末」と呼ぶことにします。

 

 

しかしユパが「そうなった世界がどこかにもうあるのでは??」と問うと、「森の人」は

 

 

・それを語ることは禁じられている

 

 

と発言するわけです。つまり「知っているが、言えない」ということです。彼らは確実に「腐海の結末」について知っています。でも、誰かにそれを語ることを禁じられている人なのです。そして彼らを大海嘯(だいかいしょう)の時に森に誘った(導いた)者がいます。それが「青き衣の者」です。

 

 

このことに対してユパは面白い発言をしています。4巻から抜粋しましょう。

 

 

・青き衣の者とは(中略)破滅の危機が高まる時、私たち種族の生命が時空を隔てて生み出す人々なのか

 

 

これは1巻で王蟲が口にした発言と確実にリンクします。

 

 

・小さき者、我が一族はお前を昔から知っている。我が一族は個にして全、全にして個。時空を超えて心を伝え、行くのだから。

 

 

これはナウシカが「青き衣の者」であり、時空を超えて現れる”何か”であることを示しています。だから不思議な能力を有しているのです。そしてそれは主に「癒し」のための力であるということです。

 

 

随分長くなってしまったので、続きはまた改めます。まだまだ紐解かなければならない謎はたくさんありますね。一緒に楽しんでいただけたら幸いです。続きの「その4」はこちらからご覧になれます。よろしければそちらも是非お付き合い下さい。それでは。

 

 

 

 

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