熊本の塾長が徹底解説!『風の谷のナウシカ』映画&漫画の徹底深掘り第2弾||熊本の学習塾ブレイクスルー・アカデミー

こんにちは。熊本の教育&勉強攻略アドバイザー、ブレイクスルー・アカデミー代表の安東正治です。

 

 

今回の記事は『風の谷のナウシカ』の徹底深掘り第二弾です。映画や映画のパンフレットだけでなく、原作漫画や関連する小説まで手を広げて色々分析してみようという企画で、前回の「『風の谷のナウシカ』を映画と漫画両方読んで熊本の塾長が徹底深掘り!その1」に続くものを書いてみました。どこまで続くか分りませんが、テンションが続く限り深掘りしていきたいと思います。

 

 

それにしても、これは当然ジブリ作品だけのことではないのでしょうが、完成に至るまでの設定や思惑といったこだわりは本当に深い。裏の話まで知っていくと、全く違う作品に見えてきてしまうほどです。

 

 

それこそ今回の『風の谷のナウシカ』ではないですが、『一生に一度は映画でジブリを』のキャンペーンで同時上映されている『もののけ姫』は『となりのトトロ』とリンクしているし、『紅の豚』が第二次世界大戦前のイタリアであることを踏まえてムッソリーニ率いるファシスト党の台頭で共産主義への揶揄も入っているんだ、なんていう裏設定まで知ると、本当に宮崎駿監督が映画に込めたこだわりの深さが垣間見えます。

 

 

こうした、随所に散りばめられた宮崎監督のこだわり、そして私たちに残された解釈の余地というものを楽しみたいというのが、今回の企画の目的でもあります。

 

 

そこでまずは『風の谷のナウシカ』に注目して、その世界の設定を始まりとして、色々気づいた点を列記していきたいと思います。

 

 

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『風の谷のナウシカ』の基本その1:トルメキア王国

第二弾にして基本に触れるというのもなんですが、如何せん登場人物が結構多いので、一度全体の構図を理解しておくことは重要かなと思います。

 

 

まず大きく二大国「トルメキア王国」と「土鬼(ドルク)」があります。アメリカと中国のような関係です。が、対立構図としてはもう少し深いので、その点は後述します。なおトルメキアは映画にも漫画にも登場しますが、土鬼(ドルク)は映画には登場しません。漫画の原作の方にしか登場しないという点で、やはり映画と漫画は全く別のストーリーであると言えそうです。

 

 

トルメキア王国のトップはヴ王という国王で、その4人の子供たちが3皇子と第4皇女クシャナです。そして風の谷も含めて、ペジテ市などの辺境の国も統括する大きな国であり、『風の谷のナウシカ』の世界での二大勢力の一つです。

 

 

ペジテ市は巨神兵が掘り起こされたことでトルメキアから目を付けられるのですが、そもそもが工房都市としてエンジンの”発掘”などを行う工業地区でした。ちょっと細かいのですが、ナウシカの世界ではすでに鉄も掘り尽くされていて、宮崎監督が設定したスーパーセラミックが主な材料となっています。映画に登場する砂漠のような場面でも、あれは全て砂ではなくセラミック片なのだそうです。そんな何十メートル何百メートルとセラミック片が降り積もるほどの長い年月の中で、かつての文明が生み出した技術は完全に埋もれてしまいました。それを掘り起こして再活用することでしか生きられない世界、それが3800年後の世界の設定です。ですからペジテは大きな穴を掘り進み、見つけたエンジンを飛行艇などに取り付ける技術者の町として栄えたのです。その発掘作業中に偶然見つけたのが、かつてこの世界を滅ぼしたとされる巨神兵でした。

 

 

当然、かつての圧倒的な産業文明を滅ぼしたほどの戦力ですから、トルメキア王国としては手中に収めたい。しかしペジテとしてはあまりに強大な戦力ゆえに破壊を試みるもできず、封印することにしました。でもどこからか情報が漏れたのでしょう、トルメキアに力で奪われそうになり滅ぼされてしまいました。

 

 

トルメキアのコマンド(兵隊)の中には「蟲使い」という種族がいます。彼らは小さな蟲を警察犬のように扱う術を持っています。局所的にではありますが、森(腐海)の一部である蟲を扱えるという点で特殊な種族です。この種族の中でも、最も祖先に近く最も神聖視されている種族が「森の人」です。「森の人」は完全に腐海と共存できている種族で、森の中に住み、蟲の皮を来て蟲の卵を食べ、蟲と共存して生きています。普通は蟲の卵など食おうものなら即蟲たちの怒りを買い暴れさせてしまうものですが、森の人たちは彼らに”分けてもらう”ことで戦わず平和裡に彼らと森で生きています。

 

 

『風の谷のナウシカ』の基本その2:土鬼(ドルク)

一方「土鬼(ドルク)」は神聖皇帝が統べる51カ国から成る連合国です。その点で行くとロシアっぽい気もしますが、チベットやウイグルといった5つの自治区を武力統合した点で中国にも共通点は見えます。

 

 

さらに言うと倫理感に欠ける点も中国的です。中国共産党一党独裁体制下の中国では、トップの意向がダイレクトに現場に行き届きます。やると言えばやるのです。人間のクローンも平気で作るし、猿の脳に人間の遺伝子を移植したり、今回のパンデミックのように研究中の人工ウィルスが流出したことで世界を混乱させたりするのですが、土鬼(ドルク)もまた、死なない兵士「ヒドラ」の研究、採用や、王蟲(オーム)の人工製造を平気で行い、さらには相手に勝つためならば土地を汚すことも蟲をけしかけることも厭いません。めちゃくちゃです。

 

 

土鬼(ドルク)のトップはナムリスとミネルパの兄弟です。特に弟のミネルパは不思議な力(超常の能力)を持ち、幽体離脱や念動といった特殊な行為もでき、闇を操りナウシカを飲み込まんとします。この超常の能力のために、兄よりも土鬼(ドルク)の実権を握っていた状態です。この二人の父親に当たる人物が初代の神聖皇帝であり、200年ほど前に土鬼(ドルク)を支配し強大な連合国を作りました。父親もまた超常の能力者で、その血を特に強く引き継いだのが弟のミネルパだったというわけです。

 

 

この土鬼(ドルク)の下に僧会があり、マニ族の族長やチヤルカがいます。彼らはナウシカと出会うことでこの世界の危機を知り、信念を共にしようとします。そもそも腐海や蟲を戦争に利用しようとすることにもかなり危機意識を持っていた人たちなので、土鬼(ドルク)にあって比較的感覚的には中立に近い立ち位置にある人たちでしょう。

 

 

『風の谷のナウシカ』の基本その3:対立の構図

この二大強国の対立は、単純に米中戦争のメタファーではないようです。むしろその点でいけばこの2つの国はいずれも「資本主義」を掲げていて、一方で世界を救わんとするナウシカの立ち位置が「共産主義・社会主義」と受け取ることもできます。

 

 

現に宮崎駿監督の価値観が共産主義・社会主義であることは明確です。これは『風の谷のナウシカ』に限らず、『もののけ姫』も人間の住処を拡大させようとするエボシ率いるタタラ場サイドが「資本主義」とすれば、その在り方に真っ向から対抗する主人公アシタカサイドは「共産主義・資本主義」の構図です。『紅の豚』もそうですが、1920年代のイタリアはムッソリーニ率いるファシスト党が台頭し、共産主義化していた時期。『紅の豚』に登場する「ポルコロッソ」ですが、この言葉自体は「ポルコ=豚」「ロッソ=赤」で文字通り「紅い豚」であり、かつ隠語で「豚野郎」「臆病者」の意味として使われていた言葉でした。この頃の共産主義者を揶揄する言葉として使われていたわけです。しかし、そのポルコロッソを主人公とし、かつ豚の姿であるマルコが人間を馬鹿にしたように振る舞い、プレイボーイとして女の子たちにキャーキャー言われる描き方をしたというのは、どうもその共産主義を肯定しているかのようにも思えます。

 

 

そういった宮崎駿監督自身に流れる主義主張は映画の中でもしっかりと表現されている、というのがジブリ映画のもう一つの楽しみ方でもあります。

 

 

ということは、この『風の谷のナウシカ』というのは、トルメキア王国と土鬼(ドルク)の二大強国の対立、ではなく、その二国間(つまり谷間)をメーヴェですり抜けて上手く繋ぎ、世界の平和(調和)を取り戻す作品、そして対立構図はそれらの強国VSナウシカという対立だったということです。

 

 

さらには、ナウシカと森の人との共通点、ナウシカと王蟲とを繋ぐ”青き絆”を鑑みると、どうもナウシカとは「母なる大地」を模した人物であるようにも思えます。なぜナウシカに不思議な力があるのか。王蟲と言葉を交わし、腐海の謎を解き、巨神兵を子として操れるナウシカの根源は一体なんなのか。

 

 

すでに世界に存在する全てが”旧”人類が技術で生み出した人工的なものであるならば、彼らの調和とは一体何を指すのか。まだまだ掘り進めていきたいと思います。

 

 

続きが気になる方は次の記事「『風の谷のナウシカ』映画&漫画の徹底深掘りを熊本の塾長が解説!その3 トルメキアと腐海編」をお楽しみ下さい。

 

 

 

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